NEMO / TANI OSMO™ 2P レビュー:山岳テントの決定版!「OSMO™(オズモ™)」ってどんな生地?
こんにちは。STRIDE LAB OFFICIAL のニシカワです。
本日は革新的かつフィールドでの快適性を追求するアメリカのアウトドアギアメーカー NEMO から山岳用のテント〈 TANI OSMO™ 2P 〉のご紹介。
このモデルは日本の山岳シーンのためにデザインされたフラッグシップモデル。山岳テントに必要なすべての要素が高い次元で備わっているため、初めてテント泊をするという方にも人気のモデルです。
今回のブログでは、そんなTANIがなぜ初めての山岳テントとして人気の理由を探っていきたいと思います。
NEMO / TANI OSMO™ 2P の基本スペック
就寝人数 | 2人 |
---|---|
最小重量 | 1.24kg |
本体素材 | 15Dナイロン/メッシュ |
フライ/前室部素材 | OSMO™ リップストップ(ナイロン、ポリエステル) |
フロア素材 | OSMO™ リップストップ(ナイロン、ポリエステル) |
フロア面積 | 2.8㎡ 長辺220cm × 短辺130cm |
前室面積 | 0.9㎡ |
室内高 | 104cm |
カタログスペックはこのような感じ。重量はものすごい軽いというわけではありませんが、それでも2人用のダブルウォールテントとしては軽量な部類です。
設営、撤収が簡単な吊り下げ式で、フライとインナーのボトム部分にはNEMOオリジナルのテント専用生地OSMO™が使われています。2Pなので大人二人が肩を並べて寝るのに十分なスペースがありますが、個人的には1人でこのスペースを贅沢に使うのが好きです。テント内で荷物が散乱しても余裕です!
テント本体の他には以下が付属します。
- スタッフサック
- ガイライン
- リペアツール(応急処置用)
- ペグ
※フットプリントは別売りとなります。
スタッフサックはディビィーキューブ™と呼ばれる縦長のものを採用しており、ザックの隙間に入れやすいデザイン。
開口部はロールトップ形状なため、ポールを別で収納すればドライバックと同じ容量でコンプレッションしてコンパクトにすることも可能です。
OSMO™(オズモ™)って何?
今回ご紹介するTANI(タニ)に限らず、NEMOの山岳用のテントには基本的に「オズモ」というブランド独自のファブリックが使われています。
オズモがどういったテント生地かというと、ナイロンをベースに格子状のポリエステルを織り合わせ、独自の防水コーティングを施したテント生地です。
引用:オズモ™ -パフォーマンスとサステナビリティのどちらも妥協しない生地- 開発秘話
ちなみにこのオズモ、開発には2年以上の時間をかけた肝入りのものだそう。
「PFASを含むDWR(耐久撥水)を使わずに、他のテントと同等以上のスペックを有するテント生地を開発する」という課題をクリアするべく開発されたそうです。環境配慮の高さもNEMOの魅力ですね!
なぜナイロンとポリエステルの複合生地なの?
山岳用のテントに使われる生地としてはナイロン100%が一般的です。その理由は軽くて丈夫だから。
では、各社が軽量化をするべくしのぎを削っているこの時代に、なぜナイロン100%ではなくわざわざ重たくなるポリエステルと組み合わせた生地にしたのでしょうか?
それはナイロンが軽くて強靭な一方で、吸水性があり、かつ水を含むと生地が伸びるという弱点を補うためです。
皆さんもテント泊の際、最初はピンと張ってたのに、時間が経つにつれて段々と弛んできて張り直した。そんな経験はありませんか?これはナイロンが雨や湿気を含んだことによる生地の伸び(膨張)が原因です。夜中の雨の中、ペグを打ち直したりするのって最悪ですよね。
そして、保水して伸びると面倒なだけでなく、以下のようなリスクがあります。
- 生地が伸びると風の影響を受けやすくなるので、夜中フライがバタつく音で寝れない
- 伸びて弛むことでフライとインナーの空間が無くなり、そこから浸水してくる
- 濡れた分重たくなる
- 伸びた箇所に負荷がかかりテントを痛める
- 濡れたままの状態になることでテント生地の劣化が早くなる
こうしたリスクを防ぐべく考案されたのが、OSMO™ファブリックというわけです。ポリエステルを含むことで、ナイロン100%のテントと比べるとスペック上は確かに重たくなりますが、実際にフィールドで使った時の快適性が全然違うというわけですね。
しかも、重さの違いといってもせいぜい100~200g。スマホ1台分と考えれば大した差ではないのでは?むしろ水を含まない分、翌日の重さは同じか下手したらOSMO™のほうが軽いかも??
OSMO™の特徴・メリット
そんなオズモの特徴をまとめると以下のような感じ。雨や湿気に強く、丈夫で長持ち、おまけに環境にも優しい。すごいぞOZMO™!!
- 耐久撥水性能が4倍長持ち
- 濡れた状態での伸縮性が1/3
- 強度が20%向上
- 加水分解しにくい
- PFASフリー:環境にやさしい
TANI OSMO™ 2P が初めての山岳テントとして人気な理由
オズモファブリックの凄さがわかったところで、今度はTANIがなぜ初めてのテントとして人気なのか、セールスポイントを1つ1つ見ていきましょう。
こちらもテント生地と同じく、フィールドでの快適性を意識した仕様が盛りだくさん!それでいて日本の急峻な山岳シーンでも安心して過ごせるようになっています!
居住性が高い
2人用として広々使えるフロア面積に加えて、前室も0.9㎡の広々空間。ザックにシューズ、調理器具なんかを置いても悠々使えます。入口のジップも半円状にガバッと開くため出入りがスムーズに行えます。
短辺側はインナーテントから伸びているガイラインをフライシートと連結することで、スペースをさらに拡張可能です。ゆとりが出るだけでなく、寝ている時シュラフの頭と足元がインナーに接して濡れてしまうことも防げます。
設営/撤収がしやすい
シンプルな吊り下げ式のため設営/撤収がとにかく楽ちん。初めての方でも数分でセットアップ可能です。
また、最初にペグダウンが可能なので、設営中に風で飛ばされたりなどの心配もいりません。ポールはNEMOオリジナルで、ハブに上下のないデザインなので建ててる途中で間違いに気づいてやり直しみたいなこともありません。
コーナーのアンカーも独自の仕様で直感的な操作が可能。フライシートは鍵を差し込むような要領で連結できるため、冬場のグローブをした状態でも設営が容易にできます。
また、画像のようにインナーとフライのテープが色分けされているため(手前が黄色、奥側がグレー)、長い時間の山行で疲れている時や、荒天で設営がしにくいような状況でもスムーズにテントを建てることができます。
換気性能が抜群
TANIと言えば換気性能の良さ!だと思っているくらい抜けの良さが抜群。
インナーテントは日本の山岳環境を考えて風をある程度シャットアウトするウインドブロックナイロンですが、入口側と奥の2箇所は一部メッシュとの二重構造になっているため、ジップを開放することで換気が可能です。フライシートの前後にはベントストラットと呼ばれる換気を促す支柱が付いていて、テント内から開閉が可能です。
また、フライシート部分は入口を巻き上げることが可能で、熱がこもりやすい夏山の時期は開放感のある設営が可能です。巻き上げた後の始末もパーツをフックにひっかけるだけなのでカンタンです。
まとめ:TANI OSMO™ 2P はこんな人・シーンに特におすすめ
以上、「NEMO / TANI OSMO™ 2P レビュー:山岳テントの決定版!「OSMO™(オズモ™)」ってどんな生地?」でした!
改めて調べてみて、このOSMO™って生地はスゴイ。人気の理由にも納得ですね。山岳テントに求めらる全ての要素を高い次元で兼ね備えるオールマイティなNEMO の TANI ですが、これまでの特徴を踏まえると、次のような方、シーンに特にオススメと言えそうです。
快適に過ごせるテントが欲しい方
抜群の居住性に加えて、申し分のない換気性能を持つTANIであれば、蒸し暑い夏の低山から結露が気になる初冬のシーズンまで快適に使えること間違いなしです!
1kgを軽く切るような軽量テントも確かに魅力的ですが、軽量性と快適性はトレードオフの関係です。初めてテント泊に挑戦するという方はもちろん、ハードな山行をする方にとっても、しっかりとくつろげる快適性を持つTANIは最適なテントです。
長く使える一生物のテントが欲しい方
テントはアウトドアギアの中でも高い買い物。失敗は勿論したくないし、出来ることなら長ーく使いたいですよね?
TANIであれば水を含みにくいから生地の劣化を最小限に抑えられるし、独自のコーティングのおかげで耐加水分解性も最高レベルです。多少の初期投資があったとしても、最高レベルの性能が長持ちするTANIであれば長い目で見れば断然お得なはずです!
稜線上にあるテント場に行く
アルプスなどの稜線上にあるテント場であれば耐久性、耐候性に信頼感のあるテントが必須です。
その点TANIは日本の山岳シーンを想定して設計されただけあって最適な選択と言えるのではないでしょうか?雨風が吹き荒ぶ環境においてもOSMO™ファブリックのおかげで、テントがバタつくことなくしっかりと体を休めることが可能です。
長期で縦走する
2泊以上の長期の縦走となってくると、天候の不安定な環境において1日も雨に降られないということは稀です。
OSMO™ファブリックは水を含みにくいので、たとえ雨の日の翌日でもテントが重たくならずに快適に行動出来ます。